「Guideline 4.3 – Design – Spam」でiOSアプリが審査落ちして解決した知見
- プロダクト
こんにちは、エンスポーツでプロダクトマネージャーをしている田窪です。
実はエンスポーツには、リリース前の段階でプロジェクト終了の危機が訪れていました。
iOS版をAppStoreからリリースしようと審査に出した際に、「Guideline 4.3 – Design – Spam」として、要するに「スパム」の扱いとしてリジェクトされてしまったのです。2023年12月のことでした。
せっかく1年半以上もかけてプロジェクトが進行してきたのに、もはやサービスとして終わりではないかという空気が流れました。まさに絶望です。
そんな絶望の中で「こうすればいいんじゃないか」というアイデアを出し合ってチャレンジし、最終的にはパッションを伝えた結果、無事審査を通過。現在はAppStore、GooglePlay両ストアからリリースさせていただいております。
マッチングアプリに限らず、「スパム」扱いされやすい飽和カテゴリのアプリ全体に対する知見となるかと思いましたので、初心を忘れないためにもシェアさせていただきます。
iOSのマッチングアプリは審査落ち(リジェクト)されやすい
まず大前提として、AppStore内に飽和しているカテゴリのアプリをリリースする場合、ユニークなコンセプトやオリジナリティのある機能がなければ、審査落ちしやすい状況となっています。
飽和状態のカテゴリに「デート」が追加されたのが2020年で、そこからはマッチングアプリのリリースがしにくい状況が続いています。
(b)また、すでに飽和状態のカテゴリにアプリを追加することは避けてください。App Storeには、おなら、げっぷ、懐中電灯、占い、デート、宴会用ゲーム、カーマ・スートラといったアプリがすでに多数存在します。こうしたアプリは、ユニークで高品質な体験を提供するアプリでない限り、却下されます。App Storeでスパム行為をすると、Apple Developer Programから除名される可能性があります。
出典:AppReviewガイドライン
実際にストアに並んでいるアプリを確認しても、2020年以降にAppStoreで新規リリースされた恋愛マッチングアプリはほとんどありません。GooglePlayにはたくさんありますけどね。
エンスポーツもその流れを受けて、はじめてAppStoreの審査に出した際には「Guideline 4.3 – Design – Spam」でリジェクトされました。ちなみに下記のような内容です。
AppStoreで飽和カテゴリのアプリをリリースする場合は、覚悟を決める必要がありそうです。
「Guideline 4.3 – Design – Spam」を解決するためにしたこと
「Guideline 4.3 – Design – Spam」について、どういうことが該当しているのかレビュー担当者とメールでやり取りをしたところ、回答の主旨としては「他のアプリのコピーである」「ユニークな機能がないと通せない」といったものでした。
そこで解決に向けてエンスポーツがおこなったことは、大きく3点です。
- アプリのアイコニックな機能を追加する
- パッションを伝える
- 商標をアピールする
すべてのアプリが同じようなことをして通るとは限りませんし、稀有な例である可能性も高いのですが、事例としてお伝えします。
1. アプリのアイコニックな機能を追加する
エンスポーツが「Guideline 4.3 – Design – Spam」でリジェクトされたときは、本当に必要最低限の機能だけを搭載した状態でした。
もともと「スポーツデートの相手を気軽に見つけるためのソリューション」として「スポ活」機能を実装する構想があったのですが、工数の関係上、初期リリースの予定には含めていませんでした。
下記の機能です。
※計画当初のFigmaの画面につき、現在の画面とは細部が異なります
これがエンスポーツにおけるアイコニックな機能になる予定でしたので、この際実装しようということで、1ヶ月ほどの開発期間で実装しました。
そして「今度こそいけるだろう」と、スポ活機能を搭載したアプリを審査に送った結果、送られてきたメールは変わらず「Guideline 4.3 – Design – Spam」でした。
絶望。
2. パッションを伝える
「これはもう無理では?」という空気が流れ始めましたが、開発チームのメンバーが負けじとレビュー担当者へとメールを送ってみました。
そこにはエンスポーツのミッションやビジョン、他社アプリの違いやユニークさについて書きました。
とにかく勢いでなんとかしてやろうという、やぶれかぶれの戦法です。普通に考えたら、通るわけがありません。
しかし熱い想いが伝わったのか、「それなら確かにユニークだからリリースしましょう」と判断してもらえて、リリースに漕ぎつけました。
AppStoreのレビューは、原則として人の目を通ります。
そのアプリに対する真摯さや真面目さ、本気さといったところも見られているんだろうなと感じた出来事でした。
3. 商標をアピールする
ちなみに弊社では、もともとアイコニックな機能としてリリースを予定していた「スポ活」やアプリ名である「エンスポーツ」などを商標登録しております。
本気度を伝える際、その登録商標についてもアピールしましたが、それが功を奏した可能性もあります。(商標登録している = アプリや事業に対して本気である」と捉えていただいた可能性)
あくまで予想ですが、こういった法的に守られている権利をアピールしてみるのも良いかもしれません。
まとめ
飽和しているアプリカテゴリでは、そもそも何度かはSpamで落ちることを前提に戦略を立てた方が良いのかもしれません。
とはいえアプリ開発に詳しくなければ、そもそも飽和カテゴリという概念すらわからないと思いますので、難しいところですね。
この記事が、アプリリリースにチャレンジしているどなたかの手助けになれば幸いです。
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記事を書いた人
Takuya Takubo
Develop / PdM / 田窪 拓也